書籍 : 落合陽一『日本再興戦略』 【書評】
落合陽一さんの日本再興戦略が面白かったのでご紹介したいと思います。
落合陽一とは
落合陽一(おちあいよういち、1987年9月16日)
博士/筑波大准教授・学長補佐・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤長/
研究者/メディアーティスト/実業家/etc.
数々の肩書きを持ち、『現代の魔法使い』と呼ばれています。
昨年「情熱大陸」に出演し、最近テレビやYouTubeなどのメディア露出も増え知名度も上がってきています。
本書概要
AI、ブロックチェーンなどテクノロジーの進化、少子高齢化、人口減少などにより、世界と日本が大きく変わりつつある。
今後、世界の中で日本が再興するにはどんな戦略が必要なのか。
テクノロジー、政治、経済、外交、教育、リーダーなどの切り口から日本と日本人のグランドデザインを描く。日本再興戦略 目次
- 第1章 欧米とは何か
「欧米」というユートピア/「西洋的な個人」の時代不適合性/「わかりやすさ」の対極にある東洋思想 /日本というブロックチェーン的な国家/平成という破壊の時代を超えて
- 第2章 日本とは何か
日本の統治構造を考える/イノベーティブな日本の宗教/日本にはカーストが向いている /百姓という「多動力」/中流マスメディアの罪日本は超拝金主義/日本を蝕むトレンディードラマ的世界観/「ものづくり」へのリスペクトを回復せよ
・第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか99
コンビニに行かなくなる日/「人工知能と呼ばれているもの」の本質/最適化・統計・創発/東洋のイメージをブランディングする/人と機械が融合する自然/テクノロジー恐怖症との折り合い
- 第4章 日本再興のグランドデザイン
人口減少・高齢化がチャンスである3つの理由/ゲートのない世界へ/ブロックチェーンと日本再興/日本はトークンエコノミー先進国/地方自治体によるICOの可能性/シリコンバレーによる搾取の終わり /ビットコインの未来を占う「3つの問い」
- 第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)
日本だからこそ持てる機械化自衛軍/インド・中国・北朝鮮/揺らぐ民主主義
- 第6章 教育
新しい日本で必要な2つの能力/幼稚園には行かなくてもいい/センター試験をやめよ /MBA よりもアート
第7章 会社・仕事・コミュニティ221
「ワークアズライフ」の時代/兼業解禁と解雇緩和をセットにせよ/士農工商を復活させよ/「ホワイトカラーおじさん」の生かし方/年功序列との決別/「近代的人間」からの卒業/「自分探し」より「自分ができること」から始める/モチベーション格差の時代
感想
実際に読んで私が一番印象に残った点は、第4章 日本再興のグランドデザインです。
この章では、「人口減少・高齢化はチャンスである」と述べられています。
本書の内容を少し借りると、
『日本は人口減少・高齢化が早く進む分、高齢化社会に向けた新しい実験をやりやすい立場にあります。今後日本に続いて、アジア諸国はほぼ全てが高齢化していきますから、日本の人口が減っても海外にお客さんがたくさんいるわけです。そうなると、アジアにロボットや日本のサービス付き高齢住宅などの日本で生まれたビジネスを海外に輸出する「逆タイムマシンビジネス」が可能になる』とあります。
私自身、人口減少・高齢化はネガティブな話題ばかりだと認識していました。しかし、この本を読んで人口減少・少子高齢化について少し見方を改めることができました。
落合さんの本は、専門的な用語が多く少し読みにくい本がありますが、日本再興戦略は比較的読みやすく感じました。
この本は、日本の未来戦略について書かれているので特に大学生や高校生などの若い世代の方に読んでいただきたいと思いました。